蓮見七月の部屋から考察

部屋から考える社会・世間

逆張りニートやっと「鬼滅の刃」を読み、泣く。

 

目次

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鬼滅の刃 第一巻

 多少ですがネタバレあります。

鬼滅の刃」見た?

皆さん何度もこう聞かれたのではないでしょうか?

流行すると世間が流行りもの一色になっちゃんですね。

これが嫌で結局触れないままだということが多々ある。僕もそうなりかけていました。

所謂、逆張りと言う奴です。

流行に乗るのってダサくね?とかの感情に起因しています。

こっちの方がダサいですが……。

そんな僕もついに「鬼滅の刃」を読みました。アニメではなくてマンガ。

タイトルにも書きましたが泣きそうになっちゃいました。

凄く良いマンガだった。

 と言っても全体的べた褒めするのは聞き飽きていると思うので目次の様に

好みじゃなかったところ。良かったところ。まとめ。というように書いていきます。

 

 

鬼滅の刃のココは好みじゃなかった……。

確かに「鬼滅の刃」はすごく面白い。革新的な部分もあったんじゃないかと思う。
(ココが良い!で述べる)
でも全部が全部最高傑作か?と聞かれればそうではないと思う。
好みの問題もありますので。僕なりにココは好みじゃないなぁというのを書かせていただきます。

 

1殺陣のシーン

バトルマンガに何をいちゃもんつけてるんだという感じですが、僕は殺陣のシーンがあまり格好良いと思いませんでした。

~~の呼吸!とかキャラごとに特徴があって面白いのですが、バトルシーンは日本の漫画界では豊作ですからね。

つい他のマンガと比べると思います。正直言って、バトルシーンだけで見ると「ドラゴンボール」とかが圧倒的にカッコいいかな。

たぶんですが、色の表現が難しいんでしょうね。炎とか、水とか、マンガだと色がないから分かりづらい。(逆を言えばアニメではめっちゃカッコいいと思う)作者さんも丁寧な方でキャラクターの髪色とかしっかり設定がありますからね。そこがマンガだと出しようがなかった。

 

2説明文で結構言っちゃう。

鬼滅の刃」は結構説明文みたいなものがあります。「名探偵コナン」みたいに長い文章があるわけではないのですが、ナレーションのようなモノが結構しゃべります。

良いか悪いか、ではなくて僕の好みではなかった。

あのカッコいい設定とかが文章で書かれちゃってるんですよね。

絵だけで分かっちゃう!というような書き方ではなかったと思う。

GANTZ」等、奥浩哉さんのマンガだと絵で見せて理解させる!という様に僕は感じたのですが鬼滅の刃はその路線ではないようです。

設定を誰か良く分からないナレーションが言ってしまうのはちょっと僕は恥ずかしかった。

僕が中二病の頃に書いた設定資料集を友達に見せている。

そんな気がしちゃいました。でもこれも好みの問題。実際、設定はカッコいいし、絵も下手じゃな無いです。

 

鬼滅の刃のココがいい!

1血統の問題をついに打破!

読んでいて凄いと思ったのはここでした。ジャンプマンガって結局、血筋じゃないか!っていう意見があります。

例えば「ドラゴンボール」の孫悟空は地球人が努力したのではなくてサイヤ人という先頭民族が努力して強くなっていく話。

「ワンピース」はゴムゴムの実を食べて強くなる。もちろんその後努力するのだけど、根本はそこじゃないかとも思ってしまう。

NARUTO」も主人公のうずまきナルト四代目火影の息子さんでしたね。

 

でも「鬼滅の刃」は違う。

遂に普通の子が凄い努力と覚悟の元、頑張ります。

途中で、ご先祖様が結局凄かったのかな?と思わせるような描写もありますが、違った。

凄い剣豪のご先祖様の、友達の子孫が、主人公の竈門炭治郎(かまど たんじろう)

なのです。

つまりご先祖様が優しかっただけ。この優しいという、誰にでもできるけど難しい美徳を武器に必死に頑張るのが鬼滅の刃の魅力でしょう。

 

遂にご先祖様が特別でない、ヒーローが登場しました!

そのおかげで僕も随分、炭治郎を応援しました。普通の人間が頑張ってるわけですからね。他のヒーローより自分に近いんです。

 

2バトルシーンよりも良い!回想シーン

僕は殺陣はあまり良くなかったとさっき書いたのだけど、バトルじゃない回想シーンが凄く良かったです。

主人公たちは敵である鬼と決死の戦いをします。ですからどちらの陣営も死人が出る。

なのに誰一人としてテキトーに死んでないんです。敵にも味方にもエピソードがあって戦いに臨み、死ぬ。あるいは勝つ。

鬼滅の刃」は勧善懲悪モノだと言われるように善玉と悪玉が戦うお話です。

善玉側は本当に善良な人たちばかりです。だからこそ戦いに臨むと僕も含めて読者は敵をやっつけろ!いままで殺された人の敵を討つんだ!こういう風に燃えるのです。

しかしそれで盛り上げて終わらないのが「鬼滅の刃

敵が死ぬ間際、自分の人生を振り返るのです。なぜ鬼になったのか。俺の人生……。

って。そこで読者は、あっコイツにも人生はあったのに殺してしまった……。とある種の罪悪感に見舞われます。

その罪悪感とやるせなさ(敵である鬼にも事情があるから)を浄化してくれるのが優しきヒーロー竈門炭治郎なのです。

倒した敵に手を合わせる。来世では神様に許されますようにと願う。

敵をやっつけるだけで終わらないのが「鬼滅の刃」の最大の魅力でしょう!

僕が泣いた原因もここにあります。敵味方、ともに背景がある。それを知った時、感動するんです。生きるにせよ死ぬにせよ何かがあったのだと。

 

3作者さんが本当に丁寧!

主人公の炭治郎は血筋も良いわけではありませんから、コツコツと努力を重ねるわけです。

これは贔屓かもしれませんが、作者さんもコツコツ積み重ねるタイプの人なんじゃないかなぁ。

とにかく設定がちゃんとしてる。主人公たちが最初の方に倒す敵にでさえエピソードがあるんです。味方の端役にも設定がちゃんとあります。しかも作中でちゃんと出てくるんですね。

扉絵の所にも設定がしっかりと書かれています。文章ですがそれでもちゃんとしてるなぁと思わせる丁寧ぶり。

主人公も作者さんも丁寧なのが強みなんでしょうね。コツコツ、コツコツ積み重ねる。

敵であってもぞんざいに扱わない。活躍しない様な端役でもちゃんとエピソードが掛かれる。

 この丁寧さが読者にちゃんと伝わった結果、一大ブームが起きたんじゃないかな。

 

 

コロナ禍で流行った意味。

鬼滅の刃」について書きましたが、この作品はコロナ禍で流行した。

その意味がちょっと分かった気がするんですよね。

みんなが苦しい時代に、特別でない主人公がコツコツ努力して、必死に頑張る。

その強さの理由は優しさ。

まさにコロナ禍での模範生ですよね。

カミュの『ペスト』でも、これは繰り返しなんだ。繰り返していくしかないんだ。

というようなシーンがあったと思います。

本当に苦しい時、コツコツやるのは難しい。でも、何とか必死で頑張る。

これを行動で示してくれたのが炭治郎たちなのでしょう。

鬼滅の刃」はコロナ禍でどうするべきかの回答だったのかもしれません。

本当にいい作品でした。おわり