蓮見七月の部屋から考察

部屋から考える社会・世間

ニートのてきとうエッセイ  『どうてい』

「童貞なんて早く捨てなさいよ。処女とは違うんだから」

 

こう言われた。後輩女子に言われた。

我ながら情けない。恥ずかしい。

 

年上なのに経験上の事で後輩にチクリと言われる。

年長者としてダメ。男としてもダメ。

 

さらりと言ってくれたが、事はそうカンタンじゃないんだよ。

それにちょっとだけ哀しかった。

恥の上塗りと思って、言い訳はしなかったけども。

いろいろあるんだよ。

 

まず、童貞を捨てるのは一人じゃできないんだよ。

パートナーが必要なんだ。

これがまた小難しい。

 

まず人を好きにならないと。

そして好きになってもらわないといけない。

モテる人はカンタンだと思うでしょう。

 

しかし、僕のような童貞にそれは無茶だ。

反り立つ壁なんだ。

 

上手く超えるヤツもいるが、ダメなヤツはえらく時間がかかる。

体育の時間でもそうだったでしょう。

 

人に好かれるためには自分を変えなきゃいけないんだ。

髪とか、服とか、言動とか。

大変だ。えらくエネルギーが掛かる。

 

見た目と言うのはセンスが出るから嫌なんだ。

ダメだった時、責任があるのは僕だから。

怖いんだ。自分を出すのが。

 

「だったら風俗に行けばいいじゃない」

そうはいってもお金がかかるじゃないか。

それに今は、コロナもあるし。

 

「言い訳ばかりだからダメなのよ」

はぁ。返す言葉もない。

 

言い訳なんてしない方が良いのかな。

非童貞は言い訳もしないのかな。

カッコいいヤツは、性格もカッコいいのか。

 

はぁ。童貞なんて捨てたいな。